最近、保育園や幼稚園を中心に手足口病の流行が目立ってきています。
手や足、口の中にブツブツや水ぶくれができるため、「これは何?」「食べられないけど大丈夫?」「いつから登園していいの?」と不安になるお母さんも多いと思います。
手足口病は、多くの場合は数日で自然に改善するウイルス感染症です。
ただし、口やのどの痛みで水分がとれない時や、ぐったりしている時には注意が必要です。
この記事でわかること
- 手足口病の原因と感染経路
- 手足口病の症状とうつる期間
- 手足口病は何度もかかるのか
- 大人の感染で注意すること
- のどが痛くて食べられない時の対処法
- おすすめの飲み物と避けたい飲み物
- 保育園・幼稚園の登園基準
- 病院を受診した方がよいタイミング
1.手足口病とは?|子どもに多い夏の感染症です
手足口病は、口の中、手のひら、足の裏、足の甲、おしりなどに小さな水ぶくれや発疹が出る感染症です。主に乳幼児や小さな子どもに多く、保育園や幼稚園などの集団生活で広がりやすい病気です。発疹が出ると見た目に驚くことがありますが、多くは軽症で、3〜7日ほどで自然に改善していきます。一方で、口の中やのどに水ぶくれができると、痛みで食事や水分がとりにくくなることがあります。
2.手足口病の原因|ウイルスが原因です
手足口病の原因は、主にコクサッキーウイルスやエンテロウイルスなどのウイルスです。
細菌ではないため、通常は抗菌薬、いわゆる抗生剤で治す病気ではありません。また、原因となるウイルスには複数の種類があります。そのため、一度かかったら二度とかからない病気ではなく、何度もかかることがあります。
ポイント
「去年も手足口病になったのに、またかかった」ということは珍しくありません。
これは、手足口病の原因ウイルスが1種類ではないためです。
3.手足口病の感染経路|どうやってうつる?
手足口病の主な感染経路は、次の3つです。
| 感染経路 | 具体例 |
|---|---|
| 飛沫感染 | 咳、くしゃみ、会話などで飛んだしぶきを吸い込む |
| 接触感染 | おもちゃ、ドアノブ、タオル、食器などを介してうつる |
| 糞口感染 | 便に出たウイルスが手を介して口に入る。おむつ交換後は特に注意 |
症状がよくなった後も、便の中にウイルスがしばらく排出されることがあります。
そのため、発疹が消えたかどうかだけでなく、おむつ交換後やトイレ後の手洗いがとても大切です。
4.手足口病の症状|発疹・発熱・口の痛みに注意
手足口病では、感染してから数日後に症状が出ることが多いです。
代表的な症状は以下の通りです。
- 手のひら、足の裏、足の甲の発疹や水ぶくれ
- 口の中、舌、のどの水ぶくれや口内炎
- 発熱
- のどの痛み
- よだれが増える
- 食事や水分を嫌がる
- おしりや膝まわりの発疹
発熱は高熱にならないことも多いですが、口やのどの痛みが強いと、水分をとることさえ嫌がることがあります。
手足口病で一番気をつけたいのは、発疹の数よりも、水分がとれているかどうかです。
5.のどが痛くて食べられない時の対処法
手足口病では、口の中やのどに水ぶくれができるため、「食べたいけど痛くて食べられない」ことがあります。お母さんとしては食べてくれないと心配になりますが、数日間は食事量が少なくても、水分がとれていて、おしっこが出ていれば大丈夫なことが多いです。
食べやすいもの
- ゼリー
- プリン
- ヨーグルト
- アイスクリーム
- 冷ましたおかゆ
- 豆腐
- 茶碗蒸し
- やわらかいうどん
- スープを冷ましたもの
避けた方がよいもの
- オレンジジュースなど酸味の強いもの
- 炭酸飲料
- 熱い食べ物
- しょっぱいもの
- 辛いもの
- 硬いせんべい、スナック菓子
「栄養をとらせなきゃ」と無理に食べさせるよりも、まずは痛みが少なく、飲み込みやすいものを少しずつ試してみましょう。
6.手足口病の時におすすめの飲み物
のどが痛い時は、飲み物でもしみることがあります。
おすすめの飲み物は、刺激が少なく、冷たすぎない程度に冷やしたものです。
| おすすめの飲み物 | ポイント |
|---|---|
| 経口補水液 | 水分が少ない時、汗をかいている時、食事が少ない時におすすめ |
| 麦茶 | 刺激が少なく、日常的に飲ませやすい |
| 水 | 少量ずつ、こまめに飲ませる |
| 牛乳 | 飲める子では選択肢になる。嫌がる場合は無理しない |
| 薄めたリンゴジュース | 酸味が少ないため比較的飲みやすいことがある |
一度にたくさん飲ませようとすると嫌がることがあります。
スプーン1杯、ひと口、数分おきでもよいので、少量をこまめにがコツです。
脱水のサインに注意
- 半日以上おしっこが出ない
- 泣いても涙が少ない
- 口や唇が乾いている
- ぐったりしている
- 水分をほとんど受けつけない
このような時は、早めに医療機関へ相談してください。
7.手足口病の治療|特効薬はある?
手足口病には、ウイルスそのものをすぐに消す特効薬はありません。治療は、症状を和らげながら自然に回復するのを待つ対症療法が中心です。
- 発熱や痛みが強い時:年齢や体重に応じて解熱鎮痛薬を使うことがあります
- 口の痛みが強い時:刺激の少ない食事や飲み物を工夫します
- 水分がとれない時:脱水の程度によっては点滴が必要になることがあります
発疹に対して、特別な塗り薬が必要ないことも多いです。
かゆみが強い、かき壊して赤く腫れている、膿んでいるように見える場合は、別の皮膚感染を合併していることもあるため受診しましょう。
8.手足口病は大人にも感染します
手足口病は子どもに多い感染症ですが、大人にも感染します。特に、子どもの看病をしている保護者、おむつ交換をする方、保育士さんなどは感染する機会が多くなります。
大人が感染すると、子どもよりも手足の痛みが強く出たり、発熱や倦怠感がつらく感じられたりすることがあります。仕事については明確な出勤停止期間が決まっているわけではありませんが、発熱がある、痛みが強い、体調が悪い時は無理をしないことが大切です。
また、妊娠中の方が手足口病の患者さんと接触した場合、多くは大きな問題にならないことが多いですが、心配な時や発熱・発疹がある時は、かかりつけの産婦人科に相談してください。
9.登園基準|保育園・幼稚園はいつから行ける?
手足口病は、インフルエンザのように「発症後○日休む」といった明確な出席停止期間が決められている病気ではありません。なぜなら、症状がよくなった後も便の中にウイルスが排出されることがあり、発疹が完全に消えるまで休むという対応は現実的ではないためです。一般的な登園基準は、次のように考えます。
手足口病の登園目安
- 熱がない
- 全身状態がよい
- 口の痛みが落ち着いている
- 普段に近い食事や水分がとれる
- 集団生活に無理なく参加できる
発疹が少し残っていても、熱がなく、食事や水分がとれ、元気に過ごせる場合は登園可能と判断されることが多いです。ただし、園によって登園届や登園許可の扱いが異なる場合があります。最終的には、園のルールも確認してください。
10.病院を受診するタイミング
手足口病は自然に改善することが多い病気ですが、次のような場合は医療機関を受診してください。
- 水分がほとんどとれない
- 半日以上おしっこが出ない
- ぐったりしている
- 顔色が悪い
- 高熱が続く
- 強い頭痛がある
- 何度も吐く
- 首を痛がる、首が硬い
- けいれんした
- 呼びかけへの反応が悪い
- 生後3か月未満の赤ちゃんの発熱
- 発疹がひどく腫れる、膿む、強い痛みがある
特に、手足口病で注意したいのは脱水と、まれな髄膜炎・脳炎などの合併症です。
「いつもと違う」「なんとなく様子がおかしい」と感じる時は、早めに相談して大丈夫です。
11.家庭でできる感染対策
家庭内での感染を完全に防ぐことは難しいですが、できる対策はあります。
- 流水と石けんで手洗いをする
- おむつ交換後は特に丁寧に手を洗う
- タオルを共有しない
- 食器やコップの共有を避ける
- よく触る場所やおもちゃを清潔にする
- 鼻水やよだれを拭いたティッシュはすぐ捨てる
アルコール消毒だけに頼るのではなく、石けんと流水で洗い流すことが大切です。
特に、おむつ交換後、トイレの後、食事の前は意識して手洗いをしましょう。
12.よくある質問
Q.手足口病は何度もかかりますか?
はい、何度もかかることがあります。原因となるウイルスが複数あるため、一度かかっても別のウイルスで再感染することがあります。
Q.発疹が残っていたら登園できませんか?
発疹だけで登園できないとは限りません。熱がなく、口の痛みが落ち着き、普段に近い食事や水分がとれて、全身状態がよければ登園可能と判断されることが多いです。ただし、園のルールも確認してください。
Q.薬を飲めば早く治りますか?
手足口病そのものをすぐに治す薬はありません。治療は、痛みや発熱を和らげ、水分不足を防ぎながら自然に回復するのを待つことが中心です。
Q.大人にうつったら仕事に行ってもいいですか?
明確な出勤停止期間がある病気ではありません。ただし、発熱がある、体調が悪い、手足の痛みが強い場合は無理をせず休みましょう。医療・保育・介護・食品関係などの仕事では、職場のルールに従ってください。
Q.食べられない時はどうしたらいいですか?
数日間、食事量が少なくても、水分がとれていて、おしっこが出ていれば大丈夫なことが多いです。ゼリー、プリン、アイス、冷ましたおかゆ、豆腐など、しみないものを少しずつ試してください。水分がとれない場合は受診が必要です。
まとめ|手足口病は「水分がとれているか」を見てあげましょう
手足口病は、子どもに多い夏の感染症で、保育園や幼稚園で流行しやすい病気です。見た目の発疹に驚くことがありますが、多くは自然に改善します。お母さんに見てほしい一番のポイントは、発疹の数よりも水分がとれているか、元気があるか、おしっこが出ているかです。のどや口が痛くて食べられない時は、無理に食べさせるよりも、飲みやすいものを少しずつ。水分がとれない、ぐったりしている、強い頭痛や嘔吐がある場合は、早めに医療機関へ相談してください。
受診を迷ったら
「これくらいで受診していいのかな」と迷うこともあると思います。
小さなお子さんは急に脱水が進むこともあります。水分がとれない、尿が少ない、ぐったりしている時は、我慢せずご相談ください。
