突発性発疹とは?赤ちゃんの高熱後に出る発疹の特徴・原因・対処法を解説

こどもの症状

赤ちゃんが突然39〜40℃近い高熱を出すと、「何か重い病気ではないか」「このまま様子を見てよいのか」と不安になりますよね。さらに、熱が下がったあとに体中に発疹が出ると、驚いてしまう保護者の方も多いと思います。

このような経過でよくみられる病気のひとつが、突発性発疹です。突発性発疹は、赤ちゃんに多い代表的なウイルス感染症で、多くの場合は自然に回復します。ただし、発熱中は診断が難しく、熱性けいれんや脱水に注意が必要なこともあります。

この記事では、突発性発疹とはどのような病気か、赤ちゃんの発熱後に出る発疹の特徴、自宅での対処法、受診の目安、登園のタイミングについて、保護者の方にわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • 突発性発疹の原因と特徴
  • 高熱と発疹の出方
  • 風邪や他の発疹との違い
  • 自宅でできるケア
  • すぐ受診した方がよい症状
  • 保育園・こども園への登園目安

1.突発性発疹とは?赤ちゃんに多い「高熱後の発疹」です

突発性発疹は、主に生後6か月〜2歳ごろの赤ちゃんに多くみられるウイルス感染症です。医学的には「突発性発疹症」と呼ばれ、主にヒトヘルペスウイルス6型B(HHV-6B)、またはヒトヘルペスウイルス7型(HHV-7)が原因になります。

特徴は、突然の高熱が3〜4日ほど続き、熱が下がるころに体に赤い発疹が出ることです。発疹が出てから「突発性発疹だったのか」とわかることも多く、発熱している最中は風邪や他の感染症との区別が難しいことがあります。

突発性発疹は、赤ちゃんが初めて経験する高熱の原因になることもあります。そのため、保護者の方にとってはとても心配な病気に見えますが、ほとんどは自然に治る良性の感染症です。

2.突発性発疹の原因|HHV-6B・HHV-7というウイルスが関係します

突発性発疹の主な原因は、ヒトヘルペスウイルス6型B(HHV-6B)ヒトヘルペスウイルス7型(HHV-7)です。これらのウイルスは、乳幼児期に多くの子どもが感染するとされています。

感染経路は、主に唾液を介した接触感染と考えられています。家庭内での抱っこ、食器の共有、きょうだいや大人との濃厚な接触などが関係することがあります。

ただし、突発性発疹は、はしかや水ぼうそうのように強い感染力を持つ病気ではありません。また、発疹が出るころには熱が下がり、ウイルスの排出も減っていることが多いと考えられています。

3.突発性発疹の症状|高熱のあとに発疹が出るのが特徴

突発性発疹の症状は、時期によって大きく変わります。特に大切なのは、「発熱期」と「発疹期」に分けて考えることです。

発熱期:突然38〜40℃の高熱が出る

突発性発疹では、突然38〜40℃前後の高熱が出ることがあります。発熱は3〜4日ほど続くことが多く、赤ちゃんによっては39℃以上の高熱になることもあります。

高い熱が出るため保護者の方はとても心配になりますが、突発性発疹では、熱のわりに比較的元気に見えることもあります。一方で、機嫌が悪い、食欲が落ちる、夜眠りにくい、抱っこを求めるなど、いつもと違う様子がみられることもあります。

発疹期:熱が下がるころに赤い発疹が出る

熱が下がるころ、または熱が下がった翌日ごろに、胸・お腹・背中を中心に淡い赤色の小さな発疹が出てきます。その後、首、顔、腕、足に広がることもあります。

突発性発疹の発疹は、かゆみや痛みがほとんどないことが多く、数日で自然に薄くなって消えていきます。発疹に対して特別な塗り薬が必要になることは通常ありません。

その他にみられることがある症状

  • 機嫌が悪い
  • 食欲や哺乳量が減る
  • 軽い下痢
  • 鼻水や咳などの軽い風邪症状
  • まぶしそうにする
  • まぶたが少し腫れぼったく見える
  • 熱性けいれん

特に、突発性発疹では高熱に伴って熱性けいれんを起こすことがあります。初めて見ると非常に驚きますが、多くは短時間で自然におさまります。ただし、けいれんが起きた場合は状況によって受診や救急相談が必要です。

4.突発性発疹はいつ診断できる?発熱中はわかりにくい病気です

突発性発疹は、発熱している最中には診断が難しいことがあります。なぜなら、発疹が出る前は「高熱」以外の特徴がはっきりしないことが多いからです。

そのため、発熱中に小児科を受診しても、最初は「ウイルス感染症」「風邪の可能性」「経過を見ましょう」と説明されることがあります。そして、熱が下がったあとに発疹が出て、結果的に突発性発疹だったとわかることが多いです。

つまり、発熱初日に突発性発疹と確定できないことは珍しくありません。大切なのは、病名をすぐに決めることよりも、赤ちゃんの全身状態、哺乳量、水分摂取、尿の回数、呼吸の様子を確認しながら経過を見ることです。

5.突発性発疹と間違えやすい病気

赤ちゃんの発熱や発疹には、突発性発疹以外にもさまざまな原因があります。特に、発熱が続いている間や発疹の出方が典型的でない場合は、他の病気との区別が必要になることがあります。

病気 特徴
風邪・ウイルス感染症 鼻水、咳、のどの症状を伴うことがあります。
手足口病 手のひら、足の裏、口の中に発疹や水ぶくれが出ます。
水ぼうそう かゆみのある水ぶくれが、時間差で次々に出ます。
川崎病 5日以上の発熱、目の充血、唇の赤み、手足の腫れ、発疹などがみられます。
薬疹 薬を飲み始めたあとに発疹が出ることがあります。

「熱が下がってもぐったりしている」「発疹の色が紫っぽい」「水ぶくれがある」「目の充血や唇の赤みがある」「5日以上熱が続く」などの場合は、突発性発疹以外の病気も考える必要があります。

6.突発性発疹の治療|抗生物質は効きません

突発性発疹はウイルス感染症のため、抗生物質は効果がありません。また、原因ウイルスを直接退治する特別な治療薬を使うことも通常ありません。

治療の中心は、赤ちゃんが少しでも楽に過ごせるようにする対症療法です。高熱そのものを完全に下げることよりも、水分がとれているか、眠れているか、ぐったりしていないかを確認することが大切です。

7.自宅でできる対処法|水分補給と全身状態の観察が大切です

水分をこまめにあげましょう

発熱中は汗や呼吸で水分が失われやすくなります。母乳、ミルク、湯冷まし、麦茶、経口補水液などを、赤ちゃんの月齢や状態に合わせて少しずつ与えましょう。

一度にたくさん飲めなくても、少量ずつこまめに飲めていれば大丈夫なことも多いです。逆に、半日以上ほとんど飲めない、尿が極端に少ない、口の中が乾いている、泣いても涙が出ないなどがあれば、脱水に注意が必要です。

食事は無理に食べさせなくても大丈夫です

高熱のときは食欲が落ちることがあります。無理に食べさせる必要はありません。水分がとれていれば、食事は赤ちゃんが食べられるものを少量ずつで構いません。

離乳食を食べている場合は、おかゆ、うどん、スープ、ゼリー、果物など、食べやすいものを選びましょう。

解熱剤は「つらそうなとき」に使います

高熱でも、赤ちゃんが眠れていて水分がとれている場合は、必ずしも解熱剤を使う必要はありません。一方で、熱で眠れない、ぐずって水分がとれない、つらそうにしている場合は、医師から処方されたアセトアミノフェンなどの解熱剤を使用することがあります。

解熱剤は病気を早く治す薬ではなく、赤ちゃんを楽にするための薬です。使用量や間隔は、医師や薬剤師の指示に従ってください。

発疹には基本的に薬は不要です

突発性発疹の発疹は、かゆみや痛みが少なく、数日で自然に消えることがほとんどです。通常、塗り薬や飲み薬は必要ありません。

発疹が出ると心配になりますが、突発性発疹では、むしろ「熱が下がって回復に向かっているサイン」と考えられることもあります。

8.すぐ受診した方がよい症状|この場合は小児科へ

突発性発疹は自然に治ることが多い病気ですが、赤ちゃんの発熱では注意が必要なサインがあります。以下のような場合は、早めに小児科を受診してください。

  • 生後3か月未満で38℃以上の発熱がある
  • ぐったりして反応が悪い
  • 呼びかけへの反応がいつもと違う
  • 哺乳や水分摂取が明らかに少ない
  • 尿の回数が少ない、半日以上おしっこが出ない
  • 呼吸が苦しそう、肩で息をしている
  • 顔色が悪い、唇が紫色に見える
  • 何度も吐く
  • 5日以上高熱が続く
  • 発疹が紫色、押しても色が消えない
  • けいれんを起こした

迷ったときは受診して大丈夫です

「このくらいで受診してよいのかな」と迷う保護者の方は多いですが、赤ちゃんの様子がいつもと違うと感じるときは、早めに相談して問題ありません。特に月齢が低い赤ちゃんでは、自己判断で長く様子を見すぎないことが大切です。

9.熱性けいれんが起きたときの対応

突発性発疹では、高熱に伴って熱性けいれんを起こすことがあります。初めて見るととても怖いですが、まずは赤ちゃんを安全な場所に寝かせ、落ち着いて様子を確認しましょう。

けいれん時に家庭でできること

  • 赤ちゃんを横向きに寝かせる
  • 周囲の危ないものをどける
  • 衣服をゆるめる
  • けいれんが何分続いたか時間を確認する
  • 口の中に指や物を入れない
  • 無理に体を押さえつけない

けいれんが5分以上続く、繰り返す、左右差がある、けいれん後も意識が戻らない、顔色や呼吸が悪い場合は、救急受診が必要です。初めてのけいれんの場合も、医療機関に相談しましょう。

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10.お風呂・外出・登園はいつから?

お風呂は熱が下がって元気なら可能です

高熱がある間やぐったりしているときは、無理に入浴する必要はありません。汗をかいた場合は、濡れたタオルで体を拭いたり、着替えをしたりして清潔を保ちましょう。

熱が下がり、機嫌がよく、水分もとれている場合は、発疹が残っていても入浴して構いません。ただし、長風呂は避け、赤ちゃんが疲れないように短時間にしましょう。

外出は体調が戻ってからにしましょう

解熱後すぐは、まだ体力が戻っていないことがあります。発疹が出ていても元気なら過度に心配する必要はありませんが、外出は赤ちゃんの機嫌や食欲、睡眠の状態を見ながら少しずつ再開しましょう。

登園は「解熱して機嫌・食欲が戻ってから」が目安です

保育園やこども園への登園は、一般的には熱が下がり、全身状態がよく、普段どおりに過ごせるようになってからが目安です。発疹が残っていても、元気で食事や水分がとれていれば登園できることが多いです。

ただし、園によって登園基準や登園届の扱いが異なる場合があります。登園前に、保育園・こども園へ確認しておくと安心です。

11.突発性発疹はうつる?きょうだいへの感染は?

突発性発疹の原因ウイルスは、主に唾液を介してうつると考えられています。ただし、感染力は非常に強いわけではなく、発疹が出るころには感染力が低下していることが多いとされています。

きょうだいへの感染を完全に防ぐことは難しいですが、家庭では以下のような基本的な感染対策を心がけましょう。

  • 手洗いをこまめに行う
  • タオルや食器の共有をできるだけ避ける
  • よだれや鼻水を拭いたあとは手を洗う
  • おもちゃを清潔に保つ

なお、突発性発疹は一度かかると同じウイルスでは再発しにくいとされていますが、HHV-6BとHHV-7は別のウイルスのため、まれに似たような症状を2回経験することもあります。

12.よくある質問

Q1.突発性発疹の発疹はかゆいですか?

多くの場合、かゆみはほとんどありません。赤ちゃんがかゆがらず、発疹以外に元気であれば、数日で自然に消えることが多いです。

Q2.発疹が出たら治りかけですか?

突発性発疹では、熱が下がるころに発疹が出るため、発疹は回復に向かう時期にみられることが多いです。ただし、ぐったりしている、発疹の色が紫っぽい、発熱が続く場合は受診してください。

Q3.突発性発疹に抗生物質は必要ですか?

突発性発疹はウイルス感染症のため、抗生物質は効きません。治療は水分補給や解熱剤など、症状を和らげる対応が中心です。

Q4.発疹がある間は保育園を休む必要がありますか?

発疹が残っていても、熱が下がり、機嫌や食欲が戻っていれば登園できることが多いです。ただし、園ごとに対応が異なるため、登園前に確認しましょう。

Q5.高熱があるのに元気そうです。様子を見てよいですか?

水分がとれていて、呼吸が苦しそうでなく、顔色もよく、反応が普段と大きく変わらない場合は、自宅で経過を見られることもあります。ただし、生後3か月未満の発熱、ぐったりしている、尿が少ない、けいれんがある場合は早めに受診してください。

13.まとめ|突発性発疹は自然に治ることが多い病気ですが、発熱中の観察が大切です

突発性発疹は、赤ちゃんに多いウイルス感染症で、突然の高熱と、解熱後に出る発疹が特徴です。多くの場合は自然に回復し、発疹も数日で消えていきます。

一方で、発熱中は突発性発疹と確定できないことも多く、脱水や熱性けいれん、他の感染症との区別が必要になることがあります。保護者の方は、体温だけでなく、機嫌、哺乳量、水分摂取、尿の回数、呼吸の様子、反応のよさを観察することが大切です。

「いつもと違う」「なんとなく心配」と感じたときは、無理に自宅で判断せず、小児科へ相談してください。赤ちゃんの発熱は不安になるものですが、ポイントを知っておくことで落ち着いて対応しやすくなります。

参考文献

  1. 国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト|突発性発しん(詳細版)
    突発性発しん(詳細版)|国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト
  2. 国立感染症研究所 IASR|突発性発疹に関する最近の話題
    突発性発疹に関する最近の話題|国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト
  3. MSDマニュアル プロフェッショナル版|突発性発疹
    MSDマニュアル プロフェッショナル版
    現在無料でオンラインに掲載-MSDマニュアルプロフェッショナル版は、1899年以後現在に至るまで、医師および学生向けの医...
  4. こども家庭庁|保育所における感染症対策ガイドライン
    https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/e4b817c9-5282-4ccc-b0d5-ce15d7b5018c/c60bb9fc/20230720_policies_hoiku_25.pdf
  5. 日本小児神経学会|熱性けいれん(熱性発作)診療ガイドライン2023
    熱性けいれん(熱性発作)診療ガイドライン2023 - 一般社団法人 日本小児神経学会
    (本ガイドライン書籍版は診断と治療社より刊行されております) (以下PDFは閲覧は可能ですが、印刷不可・コピー不可となり...
  6. 日本小児科学会|小児の発熱時の注意点
    公益社団法人 日本小児科学会
    公益社団法人 日本小児科学会公式サイト
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