アトピー性皮膚炎の治療では、ステロイド軟膏などの「炎症を抑える薬」と、保湿剤による「皮膚のバリア機能を整えるスキンケア」の両方が重要です。
しかし、実際に治療を始めると、「ステロイド軟膏と保湿剤はどちらを先に塗ればいいの?」「どのくらいの量を塗ればいい?」「ステロイドを塗った上から化粧をしても大丈夫?」と迷う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、アトピー性皮膚炎におけるステロイド外用薬の正しい塗り方、1FTUを用いた適切な量、保湿剤の種類と選び方、ステロイドと保湿剤の順番、化粧をするときの注意点まで、最新の診療ガイドラインをもとに解説します。
この記事の結論
- 赤み、盛り上がり、ザラつき、かゆみがある部分には、処方されたステロイド外用薬を十分量塗ります。
- 保湿剤は、湿疹部分だけでなく、乾燥しやすい皮膚全体に塗ります。
- 塗る順番に絶対的な決まりはありませんが、実践しやすいのは「ステロイド→20~30分後に保湿剤」です。
- 時間を空けるのが難しい場合は、医師の指示に従い、継続しやすい順番を選びましょう。
- 化粧をするときは、原則として「治療薬→保湿剤→日焼け止め→メイク」の順番です。
1.アトピー性皮膚炎では「炎症」と「乾燥」の両方を治療する
アトピー性皮膚炎では、皮膚の中で炎症が起こると同時に、角質層の水分量や皮膚のバリア機能が低下しています。そのため、皮膚が乾燥しやすく、外部からの刺激やアレルゲンが入り込みやすい状態になっています。ステロイド外用薬と保湿剤は、似たように見えても役割が異なります。
| 外用薬 | 主な役割 | 塗る場所 |
|---|---|---|
| ステロイド外用薬 | 皮膚の炎症、赤み、腫れ、かゆみを抑える | 湿疹や炎症がある部分 |
| 保湿剤 | 皮膚の水分を保ち、バリア機能を補う | 乾燥している部分を含めた広い範囲 |
保湿剤には皮膚の炎症を十分に鎮める作用はありません。赤みやかゆみが強いときに保湿剤だけで様子を見ると、炎症が長引いて皮膚が厚くなったり、かき壊しや感染を起こしたりすることがあります。
反対に、ステロイド外用薬で炎症が治まっても、保湿を中止すると皮膚が再び乾燥し、湿疹が再燃しやすくなります。アトピー性皮膚炎の治療では、ステロイド外用薬で炎症を抑え、保湿剤で皮膚の状態を維持することが基本です。
2.ステロイド軟膏の正しい塗り方
ステロイドを塗る場所
ステロイド外用薬は、基本的に次のような炎症がある部分に塗ります。
- 赤くなっている
- 触るとザラザラ、ゴワゴワしている
- 皮膚が少し盛り上がっている
- かゆみがある
- かき壊しや湿疹がある
赤みだけを目印にすると、皮膚の色によって炎症を見逃すことがあります。明るい場所で観察し、赤みだけでなく、ザラつきや盛り上がり、かゆみも確認しましょう。
炎症のない正常な皮膚に、自己判断で毎日ステロイドを塗り続ける必要はありません。ただし、再燃を繰り返す場所に週2回程度塗る「プロアクティブ療法」を医師から指示されている場合は、その指示に従ってください。
ステロイドを塗る手順
- 手を洗う
外用前に手を清潔にします。 - 塗る範囲を確認する
赤み、ザラつき、盛り上がり、かゆみがある範囲を確認します。 - 必要量を指に取る
1FTUを目安に、塗る範囲に必要な量を取ります。 - 皮膚の数か所に置く
広い範囲に塗る場合は、薬を点々と置いてから広げると塗りむらを防げます。 - やさしく広げる
皮膚に強く擦り込まず、表面が少し光ってしっとりする程度に均一に広げます。 - 手を洗う
手を治療している場合を除き、塗布後に手を洗います。
「できるだけ薄く塗る」は、必ずしも正しい塗り方ではありません。
量が少なすぎると炎症を十分に抑えられず、治療が長引くことがあります。処方された強さの薬を、必要な部位に、必要な量だけ塗ることが大切です。
擦り込まず、やさしく広げる
ステロイド軟膏を力強くマッサージするように擦り込む必要はありません。強く擦ると摩擦が刺激になり、かゆみや炎症を悪化させる可能性があります。薬を皮膚の上に置き、指の腹を使ってやさしく広げます。毛のある部分では、毛の流れに沿って塗ると毛穴への刺激を抑えやすくなります。
3.適切な量の目安「1FTU」とは?
ステロイド外用薬は、塗る量が少なすぎると十分な治療効果を得られません。外用量を分かりやすく示す目安として使われるのが、FTU(フィンガーチップユニット)です。1FTUとは、口径約5mmのチューブから、大人の人差し指の先端から第一関節まで押し出した量です。重さは約0.5gで、大人の手のひら約2枚分の面積に塗る量の目安になります。チューブの口径、外用薬の硬さ、指の大きさによって実際の重さには多少の差があります。FTUは厳密な計量方法ではなく、塗布量が少なくなりすぎないための目安として使います。

成人の部位別FTUの目安
| 塗る部位 | 1回分の目安 | 重さの目安 |
|---|---|---|
| 顔と首 | 2.5FTU | 約1.25g |
| 片側の腕 | 3FTU | 約1.5g |
| 片側の手 | 1FTU | 約0.5g |
| 片側の大腿から足まで | 6FTU | 約3g |
| 片側の足 | 2FTU | 約1g |
| 体幹の前面 | 7FTU | 約3.5g |
| 体幹の背面 | 7FTU | 約3.5g |
例えば、成人の片腕から手全体に湿疹がある場合は、腕3FTUと手1FTUを合わせた約4FTU、重さでは約2gが1回分の目安になります。
子どもの部位別FTUの目安
| 年齢 | 顔・首 | 片側の上肢 | 片側の下肢 | 体幹前面 | 体幹背面 |
|---|---|---|---|---|---|
| 3~6か月 | 1 | 1 | 1.5 | 1 | 1.5 |
| 1~2歳 | 1.5 | 1.5 | 2 | 2 | 3 |
| 3~5歳 | 1.5 | 2 | 3 | 3 | 3.5 |
| 6~10歳 | 2 | 2.5 | 4.5 | 3.5 | 5 |
表の数字は、それぞれの部位全体に塗る場合のFTUです。湿疹が部位の一部分だけであれば、実際の範囲に合わせて調整します。
4.ステロイド軟膏は1日何回塗る?
日本のアトピー性皮膚炎診療ガイドラインでは、急に症状が悪化した時期には、原則として1日2回、朝と夕方または入浴後に塗布し、炎症が落ち着いてきたら1日1回に減らす方法が示されています。
ただし、薬の種類、強さ、塗る場所、年齢、症状によって、1日1回で処方されることもあります。処方時に医師や薬剤師から説明された回数を優先してください。
ステロイドを怖がって少量を数日おきに塗るよりも、適切な強さの薬を十分量使用して早めに炎症を鎮め、その後に回数や強さを減らす方が、結果的に総使用量を減らせることがあります。
症状がよくなったら、すぐに中止してよい?
軽い湿疹であれば、症状が改善した時点で中止して保湿剤のみを続ける場合があります。一方、何度も同じ場所に湿疹を繰り返す場合は、見た目が改善しても皮膚の中に炎症が残っていることがあります。
そのような場合には、医師の管理のもとで、ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏などを週2回程度塗り、再燃を予防するプロアクティブ療法が行われます。
プロアクティブ療法は、自己判断で長期間続ける治療ではありません。塗る範囲、頻度、終了時期について医師の指示を受けましょう。
5.保湿剤の正しい塗り方
アトピー性皮膚炎では、湿疹がある部分だけでなく、一見正常に見える皮膚にも乾燥やバリア機能の低下がみられます。そのため、保湿剤は乾燥が目立つ部分だけでなく、必要に応じて広い範囲に塗ることが大切です。
保湿剤を塗るタイミング
保湿剤は、次のタイミングで塗ると効果的です。
- 入浴やシャワーの後
- 朝の着替え前
- 手洗いや洗顔の後
- 皮膚の乾燥やつっぱりを感じたとき
- 就寝前
基本的には1日2回程度を目安にし、少なくとも入浴後には塗りましょう。乾燥が強い場合や、手洗いを繰り返す場合は、回数を追加して構いません。
入浴後はできるだけ早めに保湿する
入浴後は皮膚に水分が含まれていますが、時間が経つと急速に蒸発します。タオルで水分をやさしく押さえた後、できるだけ早く保湿剤を塗りましょう。ただし、ステロイド外用薬と保湿剤の間隔を空ける場合は、次のいずれかの方法を選びます。
- 入浴後にステロイドを塗り、20~30分後に保湿剤を塗る
- 入浴後すぐに保湿剤を塗り、20~30分後にステロイドを塗る
- ステロイドと保湿剤を朝と夜など、別の時間帯に分ける
順番にこだわるあまり、塗ること自体を続けられなくなるのは好ましくありません。生活に取り入れやすい方法を医師と相談しましょう。
保湿剤の量
保湿剤も、少量を薄く伸ばすだけでは十分な保湿効果が得られないことがあります。ステロイド外用薬と同様に、1FTUを大人の手のひら約2枚分に塗る量の目安として利用できます。塗った後の皮膚がしっとりし、ティッシュペーパーが軽く付く程度が一つの目安です。ただし、べたつきが強く継続できない場合は、剤形を変更して構いません。
保湿剤は擦り込まない
保湿剤も強く擦り込まず、手のひらや指の腹を使ってやさしく広げます。毛の流れに沿って塗ると、毛穴の詰まりや毛包炎を起こしにくくなります。
6.保湿剤にはどのような種類がある?
保湿剤は、主成分による違いと、軟膏・クリーム・ローションなど剤形による違いがあります。
主成分による違い
| 種類 | 特徴 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 白色ワセリン(プロペト) | 皮膚表面に膜を作り、水分の蒸発や外部刺激を防ぐ | 刺激に弱い皮膚、乳幼児、口周り、強い乾燥 | べたつきやすく、暑い季節は使いにくいことがある |
| ヘパリン類似物質 | 角質層の水分保持を助け、皮膚の乾燥を改善する | 広い範囲の乾燥、日常的なスキンケア | 傷口や出血している部分への使用は処方医に確認する |
| 尿素製剤 | 水分を保持し、硬くなった角質をやわらかくする | かかと、肘、膝などの硬い乾燥 | 炎症、亀裂、かき壊しがある部分ではしみやすい |
| セラミド配合保湿剤 | 角質層の細胞間脂質を補い、皮膚バリアを支える | 顔や全身の日常的なスキンケア | 化粧品のため、製品によって配合量や使用感が異なる |
剤形による違い
| 剤形 | 特徴 | おすすめの使い方 |
|---|---|---|
| 軟膏 | 油分が多く保護作用が高いが、べたつきやすい | 冬、就寝前、乾燥が強い部分 |
| クリーム | 保湿力と使いやすさのバランスがよい | 日中、顔、体幹、四肢 |
| ローション | 伸ばしやすく、べたつきが少ない | 夏、広範囲、毛の多い部分、頭皮 |
| フォーム・泡タイプ | 広げやすく、手が届きにくい場所にも使用しやすい | 背中、広い範囲、毛のある部位 |
小児の湿疹を対象にローション、クリーム、ジェル、軟膏を比較した研究では、いずれか一つが明らかに優れているという結果は示されませんでした。
保湿剤は、高価なものや特定の成分を含むものが必ずしもすべての人に最適とは限りません。季節、部位、使用感、刺激の有無を考慮し、毎日無理なく続けられる製品を選びましょう。
7.ステロイドと保湿剤はどちらが先?
結論からいうと、ステロイド外用薬と保湿剤のどちらを先に塗るかについて、すべての人に当てはまる絶対的な決まりはありません。
小児のアトピー性皮膚炎を対象に、保湿剤を先に塗る方法とステロイドを先に塗る方法を比較した研究では、15分の間隔を空ければ、湿疹の改善度に明確な差は認められませんでした。
一方、保湿剤とステロイドを続けて重ねると、ステロイドが薄まったり、本来必要のない場所まで広がったりする可能性があります。そのため、可能であれば両者の間に20~30分程度の間隔を空ける方法が勧められます。
実践しやすいおすすめの順番
- 入浴または洗浄後、タオルで水分をやさしく押さえる
- 湿疹がある部分にステロイド外用薬を塗る
- 20~30分程度待つ
- 乾燥しやすい皮膚全体に保湿剤を塗る
ステロイドを先に塗ることで、炎症部分に必要な量を確実に塗りやすくなります。その後、時間を空けて保湿剤を全体に塗ると、ステロイドを不要な場所まで広げにくくなります。
保湿剤を先に塗ってもよい場合
入浴後すぐに全身を保湿したい場合や、子どもが待つことを嫌がる場合などは、保湿剤を先に塗っても構いません。保湿剤を塗った後、可能であれば20~30分程度待ち、湿疹部分にステロイドを塗ります。保湿剤が厚く残っている状態でステロイドを塗ると量や範囲が分かりにくくなるため、表面のべたつきが少し落ち着いてから塗るとよいでしょう。
手のひらで混ぜて塗ってよい?
処方されたステロイド軟膏と保湿剤を、自己判断で手のひらの上で混ぜて使用することはおすすめできません。混ぜることで濃度が不均一になったり、ステロイドが必要のない範囲まで広がったりする可能性があります。また、薬剤や基剤の組み合わせによって安定性や皮膚への吸収が変わることがあります。医療機関であらかじめ混合して処方されている薬は、処方どおり使用してください。
8.入浴・洗浄時の正しいスキンケア
皮膚を清潔に保つことも、アトピー性皮膚炎のスキンケアの一部です。ただし、熱いお湯や洗いすぎは皮脂や天然保湿因子を奪い、乾燥とかゆみを悪化させます。
お湯の温度は38~40℃程度
熱いお湯は皮脂を落としすぎ、かゆみを誘発することがあります。入浴やシャワーでは、38~40℃程度のぬるめのお湯を目安にしましょう。42℃以上の熱いお湯は避けます。
洗浄剤は低刺激のものを選ぶ
- 香料や着色料が少ない低刺激性の洗浄剤を選ぶ
- 洗浄剤を十分に泡立てる
- 手ややわらかい布でやさしく洗う
- ナイロンタオルなどで強く擦らない
- 洗浄剤が残らないように十分にすすぐ
汚れや汗が少ない部分は、毎回必ず洗浄剤を使う必要はありません。皮膚の状態や季節に合わせて使用範囲を調整します。
タオルで擦らない
入浴後は、タオルを皮膚に押し当てるようにして水分を取ります。ゴシゴシ擦ると摩擦によって炎症が悪化する可能性があります。
9.アトピーでも化粧をしてよい?
アトピー性皮膚炎があっても、皮膚の状態が安定していれば、必ずしも化粧を禁止する必要はありません。ただし、次のような状態では、ファンデーションやコンシーラーなどを一時的に控えた方がよいでしょう。
- 赤みや腫れが強い
- 皮膚がジュクジュクしている
- かき壊しや出血がある
- 黄色いかさぶたや膿がある
- 化粧品を塗ると強くしみる
- 目の周囲が腫れている
炎症が強い時期は、化粧で隠すことよりも、まず炎症を十分に治療することが重要です。
アトピー肌の化粧品選び
- 「無香料」「低刺激性」と表示された製品を選ぶ
- 成分数が少ない製品を選ぶ
- アルコールや香料で刺激を感じる場合は避ける
- 初めて使う製品は、狭い範囲で数日試してから顔全体に使う
- 使用後に赤みやかゆみが出た製品は中止する
- 複数の新製品を同時に使い始めない
「オーガニック」「天然成分」という表示があっても、必ずしも低刺激とは限りません。植物エキスや精油、香料が接触皮膚炎の原因になることもあります。
10.化粧とステロイドはどちらが先?
ステロイド外用薬を顔に使用する場合は、原則として治療薬を化粧より先に塗ります。
朝にステロイドを塗る場合の順番
- ぬるま湯または低刺激の洗顔料でやさしく洗う
- タオルで押さえるように水分を取る
- 湿疹部分にステロイド外用薬を塗る
- 可能であれば20~30分待つ
- 保湿剤を塗る
- 保湿剤がなじむまで少し待つ
- 日焼け止めを塗る
- 化粧下地、ファンデーションなどを塗る
ステロイドがまだべたついている状態でファンデーションを重ねると、薬が広がったり、均一に塗れなくなったりします。薬と保湿剤が皮膚になじんでからメイクを始めましょう。
1日1回のステロイドなら夜に塗ってもよい?
1日1回の使用を指示されている場合は、医師に確認したうえで、夜の入浴後や就寝前に塗る方法もあります。夜に治療薬を使用すると、朝のメイクとの時間間隔を十分に確保できます。ただし、朝夕2回の使用を指示されている場合は、自己判断で1回に減らさないでください。
メイクを落とすときの注意点
- 強く擦らず、やさしく落とす
- 洗浄力の強すぎるクレンジングを避ける
- 熱いお湯を使わない
- 洗顔後はすぐに保湿する
- 落ちにくい化粧品を毎日重ねすぎない
クレンジング剤や化粧品を変えた後に顔の湿疹が悪化した場合は、刺激性またはアレルギー性接触皮膚炎を併発している可能性があります。原因が分からない場合は皮膚科で相談しましょう。
11.ステロイド外用薬を使うときの注意点
顔やまぶたには自己判断で強いステロイドを塗らない
顔、首、わき、陰部などは、腕や脚に比べてステロイドが吸収されやすい部位です。特にまぶたや目の周囲では、漫然と強いステロイドを使用すると、皮膚萎縮や眼圧上昇などのリスクが問題になることがあります。顔や目の周囲には、その部位に適した強さの薬を、医師から指示された期間だけ使用してください。
細菌・真菌・ウイルス感染に注意する
ステロイドには免疫反応を抑える作用があるため、皮膚感染症がある場所にステロイドだけを塗ると、感染が悪化することがあります。次のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
- 黄色いかさぶたや膿が増えた
- 痛み、熱感、腫れが強い
- 小さな水疱や、えぐれたような傷が急に広がった
- 発熱や強いだるさがある
- 目の周囲まで湿疹や水疱が広がった
数週間塗っても改善しない場合
適切な量を塗っているにもかかわらず改善しない場合は、薬の強さが合っていない、塗る範囲が狭い、接触皮膚炎や感染症を合併しているなどの可能性があります。自己判断で塗布量や強さを変更せず、処方した医師に相談しましょう。

12.よくある質問
ステロイドをたっぷり塗ると副作用が心配です
ステロイド外用薬の副作用は、薬の強さ、塗る部位、使用量、使用期間によって異なります。適切な強さの薬を、必要な部位に、必要な期間使用することが重要です。量を極端に減らして炎症を長引かせると、結果としてより長期間の治療が必要になることがあります。FTUを目安に、医師の指示どおり使用しましょう。
ステロイドを塗ると皮膚が黒くなりますか?
湿疹が治った後に皮膚が茶色や黒っぽく見えることがありますが、多くはステロイドによる色素沈着ではなく、皮膚炎が続いたことで生じる炎症後色素沈着です。炎症を早めに鎮め、かかないようにすることが色素沈着の予防につながります。
保湿剤だけでアトピーは治せますか?
乾燥だけで炎症がほとんどない場合は、保湿剤を中心に管理できることがあります。しかし、赤み、かゆみ、ザラつき、盛り上がりがある場合は、保湿剤だけでは炎症を十分に抑えられないことがあります。
市販の保湿剤でもよいですか?
刺激がなく、毎日十分量を使えるものであれば、市販の保湿剤も選択肢になります。ただし、湿疹が強い場合や、何を塗ってもしみる場合は、皮膚科で相談してください。
保湿剤を塗ると赤くなるのはなぜですか?
傷や炎症がある部分に尿素や一部のクリームを塗ると、刺激を感じることがあります。また、保湿剤の成分による接触皮膚炎を起こしている可能性もあります。赤み、かゆみ、ヒリヒリ感が続く場合は使用を中止し、医師や薬剤師に相談しましょう。
まとめ
アトピー性皮膚炎では、ステロイド外用薬と保湿剤を適切に使い分けることが大切です。
- ステロイドは、赤みやかゆみなど炎症がある部分に塗る
- 1FTUは約0.5gで、大人の手のひら約2枚分が目安
- 少量を薄く擦り込むのではなく、必要量をやさしく広げる
- 保湿剤は入浴後を中心に、乾燥しやすい皮膚全体に塗る
- ステロイドと保湿剤の間は、可能なら20~30分空ける
- 実践しやすい順番は「ステロイド→保湿剤」
- 化粧は「治療薬→保湿剤→日焼け止め→メイク」の順番
- 顔や目の周囲のステロイドは、医師の指示を守る
塗り薬は、薬の種類だけでなく、塗る量、範囲、回数によって効果が大きく変わります。治療しても改善しない場合は、薬が効かないと判断する前に、塗り方や塗布量が適切かを医師や薬剤師と確認しましょう。
参考文献
※本記事は一般的な医療情報の提供を目的としています。実際に使用するステロイド外用薬の種類、強さ、塗布回数、使用期間は、年齢、症状、塗る部位によって異なります。処方医の指示を優先してください。

